魔法の庭は科学室

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2017年8月23日水曜日

発酵から作る果実酒(ブラックベリー)その1

Homemade fruit wine 1

BlackBerry
Bramble

発酵から始めて自家製果実酒を作ってみましょう。
第1弾はブラックベリーです。

自宅でお酒を作るにあたって
まず大事なのは酒税法に触れないことです。

合法的に作れる果実酒には2パターンあります。
1「アルコール度数20度以上のものに果実(ぶどうを除く)を漬けて作るもの」
2「アルコール度数1パーセントに満たないもの」

なんと!アルコール度数が1パーセント未満ならば
ワインもビールも作っていいのです。
(調べる前は漬ける果実酒でぶどうが禁止なのでワインはダメだと思っていた)

以下に自家製酒の作り方を記載してありますが

アルコール度数1%を超えてしまわないようにご注意して、
自己責任で楽しんでください。


我が庭でも食べきれなかった果実類は
果実酒用ブランデーに漬けて楽しんでいました。

しかし
昨年キャンベルがたくさん取れたので
ぶどうなので漬け込み果実酒にはできないけれど、
最近自家製ビールキットとかもあるし
もしかして「ワインにできないかなぁ?」
と、いろいろ調べてみました。
もちろん買ったワインの方が美味しいに決まっていますが、
とりあえず「やってみたい」のです。

エイラにも果物の発酵酒やパーマ(ビールの前段階)が出てきますが、
そこまで遡らなくとも
古くからミード(はちみつを発酵)等の発酵酒は
物語にはたくさん出てきます。

昔の人ができたんだから、
私もやりたーい。

自家製ワインについては今年の過程を追いながら書きますが、

今回は「ブラックベリー酒」です。

ぶどうは自身で酵母を持っているのでぶどうだけの力でワインになります。
そこをふまえたうえで
ブラックベリーも収穫が遅れると、
木についたまま発酵している気配がありました。

「きっとブラックベリーもそのままでアルコールになるはず。」
昔の人もそんな感じでお酒の作り方を発見したんでしょうね。

昨年は自身がなかったので
ぶどうの枝(酵母)を少し入れて作って成功しました。
今年はブラックベリーだけでやってみることにしました。

作り方は以下に記載してありますが、
詳しい手順や発酵の様子は
その2の方で紹介していきます。
(一つの記事にまとめたら長くなりそうなので)




材料

発酵時
果実(ブラックベリー)
グラニュー糖(糖度が低いと発酵の開始が遅れてカビたりするため)
広口瓶(2つ)
何か混ぜたり潰したりするもの
キッチンペーパー(蓋用)
輪ゴム(蓋用)

発酵終了後(1〜2週間後)
熟成用の瓶
ガーゼ(絞る用)
コーヒーフィルター(濾す用)
ろうと
用具はよく洗い軽く熱湯で消毒する

※ 失敗しなければ酵母とアルコールの作用で雑菌は繁殖しないはずです。
(発酵で出るガスで無酸素状態になるため)
熟成用の瓶はアルコール度数が低いところで止めているのでやや気を使って綺麗にします。

収穫した果実は軽く洗います。
本来は乾かした方が良いのでしょうが、
水気を切りさらにキッチンペーパーなどで水気を切りながら、
熱湯消毒した広口瓶に入れます。
入りきらなかった時はフォークなどで潰していれます。
果実を全て入れたら、砂糖を加えてさらに潰しながら混ぜます。

※ 加える砂糖は好みです。
果実分の4分の1くらい入れれば発酵には問題ありませんが、
発酵につれて糖度は下がっていきます。
酵母が糖分を餌にした副産物がアルコールがだからです。
糖分が全てなくなると発酵も止まります。

※ 糖分が多いとどんどん発酵が進んで
1パーセントを超えてしまうので、味見をして調べます。
味見だけでは不安なので、度数計を購入すると良いでしょう。

※ 熟成に合わせて加糖しても問題はないので
必要ならば熟成用の瓶に移す時に味見をして加糖します。


混ぜ終わったらほこりが入らないように
キッチンペーパーで蓋をして輪ゴムで止めます。
呼吸ができないと発酵しません。

あとは室温においておきます。
1日くらいで発酵がはじまります。
もわもわのあわあわになります。

上にも書きましたが、発酵中の瓶にはガスが溜まって無酸素状態のはずなので
混ぜなくても大丈夫ですが、混ぜて味をみます。
アルコールの確認です。
アルコール度数が低いのに甘みがなくなっている時は砂糖を足します。

1週間くらいたったところで
実と果汁部分を分けます。
ガーゼをつかって絞り新しい広口瓶に果汁部分だけを移します。
この時に熟成用の瓶に移してもいいのですが、
もう1週間ほど発酵を続けるのでさらに「澱」がでます。
ここで一手間かけた方が透明度の高い完成品が出来上がります。

10日くらいすると少し味が変わってくるはずです。
お酒好きの方ならわかると思うのですが
「ふわっ」とアルコールの香りがしたらだいたい1パーセントです。
舌で感じるようになるともう1パーセントを超えているはずですので注意してください。気温にもよりますが25度くらいだと1〜2週間とのデータがあります。

度数が1パーセントになったら発酵を止めます。
方法としては

1、市販の20度以上のアルコールを足して度数をあげて酵母を殺す。
(漬け込み果実酒化する)
※ ちなみにポートワインはもっと発酵が進んでからですが、
同様にアルコール(ブランデー)を足して発酵を止めています。
※ ワイナリー本来の過程では糖分がなくなるか、
糖分が残っていてもアルコール度数が上がっていって自然に酵母が死んで発酵が止まります。


2、冷やして酵母の活動を止める

3、一旦凍らせる(酵母を殺す)

もう少し寒くなってからなら3もありですが、
せっかくすべて自家製なのだから今時期の我が家では当然「2」です。
よく洗って消毒した瓶にコーヒーフィルターとろうとを使って濾しながら移し、
冷蔵庫へ入れて熟成させます。(蓋は軽くします)
初めのうち低温発酵でガスが出るので時々蓋を開けて抜きます。
ガスを抜かず、瓶も割れずに熟成するとガス入り(シャンパン風)になるようです。

※味として甘みが足りない時はここで加える

約1ヶ月で飲めるはずですが
2ヶ月くらいたった方が美味しいです。
(昨年の経験による)

熟成用の瓶に移した時点では、白く濁っています。
時間と共に沈殿して透明になります。

ワインを作る時は実は先に潰しますが、
ブラックベリーでは実のタイプと量から
瓶に入れてから潰した方が楽なので、そうしています。
先に実と果汁を分けても熟成までに2度ほど濾すのは変わらないので、
「発酵の基礎」を抑えておけば手順などは工夫して変えても問題ないと思います。


質問等がありましたら気軽にコメント欄にどうぞ。

続きは発酵からつくる果実酒(ブラックベリー)その2

2017.11.15 更新

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